腸内環境の改善に必要な期間や腸内環境をリセットする方法

腸内環境が悪くなると便秘や下痢をはじめ、肌荒れなど様々な不調を起こしてしまうので、腸内環境を改善することが求められます。

しかし、腸内環境を整える取り組みを始めたからと、すぐに効果が表れるわけではないので、地道に改善に取り組んでいかなければなりません。

改善にはそれなりに努力や根気が必要ですが、具体的にいつから改善効果が表れるのでしょうか?

腸内環境の改善に必要な期間や腸内環境をリセットする方法などについてご紹介しましょう。

目次

腸内環境の改善効果はどれくらいで出るものなの?

腸内環境の改善に取り組んだ時、すぐに効果は出てきませんが続けることで効果を実感してくるでしょう。

ただ、改善したい効果に応じて腸内環境が改善されたと実感できる期間は異なってきますし個人差もあります。

では、期待する効果別に改善が実感できる期間の目安を見ていきましょう。

食生活で改善効果が出るまでの期間

腸内環境を食生活の見直しで改善しようと考える方は多いと思いますが、今まで腸内環境を意識していなかった人が食事で改善を考えた場合、それなりに時間はかかってしまうでしょう。

目安としては3ヶ月で、これは人間の体にある全ての細胞が生まれ変わるまでの期間とされています。

腸内の細胞が生まれ変わるにも3ヶ月の時間が必要なので、腸内環境が良くなったと実感するまで時間がかかってしまうわけです。

この期間が経過して腸内環境の改善を引き続き取り組んでいけば、次第に便秘や下痢が減り、肌荒れもしにくくなる改善効果をより実感できるようになるでしょう。

便秘・下痢の改善効果が出るまでの期間

腸内環境は生活習慣や食生活に気を付けていても、少しの寝不足や飲み会続きでのお酒や肉食など偏った食事が続くだけで、バランスが悪くなり便秘や下痢が起こりやすくなります。

短期的に腸内環境が悪くなった場合、生活リズムを元に戻し腸内環境にとって良い生活に改善することで、比較的に回復も早く、効果を実感するまで早ければ2~3日ほどでしょう。

長期で状態が良くない場合や回復が遅い人の場合は、改善に取り組むことで2週間から1ヶ月程度で良好な状態に戻せることがあります。

体質改善効果が出るまでの期間

長期的に腸内環境の改善に取り組んでいけば、腸内フローラのバランスも常に整った状態を維持できるため、体質が改善され健康状態に良い効果を持たしてくれるでしょう。

腸は免疫システムとの関係性が強いので、腸の動きが活発になれば免疫力がアップして病原体などに強い体になりますし、効率良くエネルギーを吸収できるようになるため栄養も全身に行き渡り、健康な体と同時に肌荒れも改善されるなど、様々な体質改善効果に期待できます。

体質改善に至るまでは数ヶ月から1年程とかなり長い期間を必要としますが、健康的・美容的なメリットは大きいので地道に取り組んでいくことが望ましいです。

このように、少し腸内環境が悪化しただけでも改善効果が出るまで個人差はありますが2日から1ヶ月間はかかり、体質改善のように根本的な改善となるともっと長い期間がかかります。

継続すれば体の不調の改善につながるので、めげずに取り組んでいきましょう。

腸内環境は悪化しやすく改善しにくい!

腸内環境の厄介なところは悪化しやすい上に、改善しにくいところでしょう。

一般的に食生活の見直しで改善されますが食べるものによっても悪化し、また改善に良いと思って食べたものの、短期間で改善が見られるわけではありません。

科学雑誌の「Nature」で、動植物性食品が腸内フローラに与える影響に関する論文が紹介されているので、研究結果の一部をご紹介しましょう。

研究内容について

研究対象は健康体のアメリカ人18人で9人ずつ2グループに分け、5日間動物性食品、もしくは植物性食品だけの食事をとってもらいました。

試験を実施する4日前までは準備期間として普段通りの食生活にしてもらい、毎日の便を採取して、試験期間中の便と比較しつつ腸内フローラの違いを比較した内容になっています。

動物性食品は悪玉が増える

9人に肉や卵といった動物性食品だけを食べさせたグループは、1~5日後に悪玉の増加が見られました。

デブ菌 痩せ菌

数多くある悪玉菌の中でも炎症性疾患の発症に関わるビロフィラが10倍近くも増えており、他にも消化器系に影響を与えるクロストリジウムや胃腸炎を起こす大腸菌も5倍に増えていたようです。

その一方で、善玉菌のロセブリアとブラウティアは約1/8に減少しており、動物性食品に偏った食生活は悪玉菌が増え、善玉菌が減るということが判明しましした。

この他の腸内細菌は多くの種類が減少していますが、その中には悪玉菌も減っています。

しかし、それは決して良い傾向ではなく、腸内細菌全体のバランスは悪くなっているので、結果的には腸内環境が悪化した状態だと言えるでしょう。

植物性食品でも改善に時間がかかる

腸内環境の改善には穀類や野菜などの植物性食品が良いと思われがちですが、これらの食品でも腸内細菌に対しての変化は小さいと試験で明らかになりました。

試験で5日間植物性食品だけを食べたグループは、悪玉菌のビロフィラやクロストリジウムなどが1/3程減少しており、腸内環境が改善傾向にあることが分かっています。

ところが、腸内細菌全体のバランスで見てみると、動物性食品の結果に比べて変化に大きな影響は見られませんでした。

その結果から、植物性食品で腸内環境の改善に取り組んだ場合、早くても5日間以上経過しないと効果が出ないという結論になりました。

バランスの良い食事が大切

Natureの論文により腸内環境は動物性食品に偏った食生活を続けると、改善どころかどんどん腸内環境を悪くしてしまうことが分かりました。

また、植物性食品を中心にした生活にすることで悪玉菌を減らすことに期待できますが、食べ始めたからとすぐに変化が表れるわけではないことも試験で明らかになっています。

少なくても5日間はかけないと腸内環境に変化は見えず、またその変化も大きなものではないので、毎日続けて地道に取り組んでいくことが腸内環境の改善に大切なことです。

ただ、肉など動物性食品には脂肪やたんぱく質が豊富に含まれており、これらの影響は健康や美容維持に欠かせない食品なので、どちらもバランス良く食べることを心がけてください。

最低2週間は続けよう

腸内環境の改善は食事が大きく影響することがわかりました。

特に食事に関しては健康を維持するためにも日頃から腸内環境に気をつけた食事をとるよう心がけてもらいたいものです。

食事で腸内環境を改善するために必要な期間は2週間と言われていることから、最低2週間腸内細菌のバランスを整える食生活を継続していく必要があるでしょう。

そして、低脂肪・高食物繊維の食事を2週間続けるように心がけてください。

お手本はアフリカの食事

高脂質・低食物繊維のアメリカ食に比べて、アフリカは低脂肪・高食物繊維の食事で有名な国です。

アフリカ食を2週間続けるだけで腸内環境が改善されたという報告もあります。

具体的にはビロフィラやフソバクテリウムなどの悪玉菌が減少し、善玉菌である酪酸菌が増加するなどの変化が確認されました。

さらに腸の発がん性リスクの低下、短鎖脂肪酸が2.5倍に増加するなど腸内環境を整える上で重要な作用が促されることもわかっています。

腸内細菌のバランスが整うだけでなく、腸内環境を改善していくことのできる食事内容であるということが言えるでしょう。

まずは腸内環境のリセットがおすすめ

低脂肪・高食物繊維を中心にした食生活を続ける前にまずは腸内環境を一度リセットしておくことも大切です。

慣れない新生活のストレスや暴飲・暴食によって現代人の腸内はとても負担がかかっている人が非常に多いようです。

腸内に未消化の食べ物が少しずつ蓄積していくと、肌荒れや肥満だけでなく大腸がんといった深刻な病気の原因を作ってしまうかもしれません。

そんな疲労が溜まった腸内を少しでも改善していこうと「プチ断食」を実践している人が増えてきています。

このプチ断食は1日でできる腸内活動なので、週末を利用してすぐに実践することができます。

健康・美容にも嬉しい効果が見られるので、あまり頑張らなくてもできるような断食方法で腸内環境をリセットしてみてください。

1日でできる断食方法を詳しくご紹介していきましょう。

腸の若返り効果は固形物を食べないこと

断食と聞くと「食べないことが苦痛」「体力が落ちて逆に病気になりそう」といったイメージが強いのではないでしょうか。

しかし、この断食方法はたった1日だけの断食期間なので、体が不調をきたすことはありません。

断食と言っても全く何も食べないのではなく、固形物を食べないというやり方です。

通常、固形物は腸内で消化・吸収されなければ排泄されることはありません。

固形物を食べないということはこの消化・吸収の仕事を軽減させ、腸内を活性化させるということになります。

主に腸は「消化・吸収・排泄」という働きをしていますが、断食をすることは消化と吸収の労力を使わずに排泄だけに集中することになるので内臓を休ませることができるのです。

発熱した際に食欲が低下してしまうのは体内にいるウイルスとの戦いにエネルギーが奪われてしまっているためです。

しかし、腸を休ませてリセットすることで免疫力が高まり腸内機能も活性化すると断食後は反対に抵抗力がつき病気になりにくいといった特性が出てきます。

便秘している人の腸内は約2㎏以上の便が溜まっているということも珍しくありません。

この溜まった便を排泄するだけでも物理的に腸内環境が改善されそうですが、新陳代謝が良くなることで脂肪が溜まりにくくなり痩せやすくなるといったメリットも生まれてきます。

さらに便と一緒に腸内の毒素を排出できれば肌の内側も綺麗になると言えるでしょう。

腸が本来の状態に改善されると「セロトニン」という分泌が活発になり、同時に脳内物質を安定またはポジティブにさせてくれる作用があります。

「腸年齢が若い人は肌が綺麗でハツラツとしている」というのはこのためです。

セロトニンによって脳が元気に保たれ、体全体がポジティブになっていくとも考えられるでしょう。

誰でもすぐにできる「1日プチ断食」の方法

 

1日プチ断食の方法
・断食前日
断食を行う前日は、まず準備体制を整えるために軽めの食事を心がけてください。

できれば夕食は消化の良さそうなスープやおかゆなどにしておくと効果的です。

・断食日(1日目)
断食当日は朝・昼・夜の3食を豆乳200ccとバナナ1本をミキサーで混ぜた「リセットジュース」に置き換えるようにしましょう。

ただし、水は腸内を洗い流す気持ちでいつもよりたくさん補給しておくのがおすすめです。

このリセットジュースは腸内環境の改善効果の高い栄養素がたっぷり含まれています。

消化機能を最低限にとどめ腸をゆっくり休ませてあげるためにも、飲むというよりゆっくり噛むような感覚で飲むとお腹の満足感も満たされることでしょう。

・調整期間(2~7日目)

朝食:酵素ドリンクと良質なお水
昼食:消化に負担をかけない食品
夕食:食物繊維の多い野菜中心の食事

断食後はいきなり大量の食べ物を食べないように注意してください。

今まで休息モードだった腸の中に一度に食べ物が押し寄せてくると腸がビックリして消化不良が起こる可能性があります。

朝食はしばらく酵素ドリンクを続けるようにし、夕食は腹五分から少しずつ量を増やし元の食事量に戻していくようにしてください。

朝食は酵素ドリンクではなく白湯や酵素栄養学を用いた方法もおすすめです。

毎朝のメニューに飽きたら「すまし汁」「青汁」「リセットドリンク」などに切り替えてみても良いでしょう。

 

断食中に注意して欲しいこと

断食中はある程度の食事制限があるためストレスを感じたりイライラしたり集中力が弱まる可能性があります。

仕事中に体がだるい、集中できないといった体の症状を持ち込むのはできるだけ避けたいので、仕事のない休日を選んで行うようにしましょう。

また、激しい運動をしたりハードなスケジュールにならないようゆっくり過ごせる時間を作ることも大切です。

外出する際は、ちょっとした買い物や散歩くらいにしておくことをおすすめします。

プチ断食を繰り返し行う場合は、最低一週間以上間隔を空けるようにしてください。

自己流で3日以上続けるなど無理な断食をしてしまうと消化機能そのものが弱ってしまいます。

妊娠している人や病気治療中の人、体脂肪率の低い人などにあてはまる人は必ず医師に相談してから行うようにしましょう。

本格的な断食はハードルが高く抵抗があるという人も珍しくありません。

しかし、1日だけのプチ断食や朝のファスティングなら誰でも気軽にチャレンジできるのではないでしょうか。

完全な断食に比べて食事制限などを強いられることもないので、気持ちの面でも負担がかかることはありません。

休日を利用して腸内環境を一度リセットさせてみてください。