腸内フローラで善玉菌を優位にするためには、第一に食事内容を見直すことが大切です。
腸内フローラを整えるためにはどんな食材を積極的に摂取した方が良いのでしょうか?
こちらでは腸内フローラに良い食べ物をご紹介していきます。
目次
腸内フローラに良い食べ物1:納豆
納豆菌は納豆作りに欠かせないもので、納豆菌によって大豆を発酵させることによってできた食品です。
納豆特有のネバネバには、たんぱく質分解酵素「ナットウキナーゼ」が豊富に含まれています。
発酵する過程の中で様々な栄養素が生成され、腸内の抗菌作用や免疫機能を強化させてくれることで有名です。
納豆菌の最大の特徴は、腸内で長く生き残ることができる生命力の強さです。
農林水産省の研究によると、ビフィズス菌や乳酸菌と同時に納豆菌を摂取した時、便の腸内細菌で一番長く生き残っていたのは納豆菌だけだったという調査結果が出ています。
納豆菌は一度摂取すると4~5日程度は腸内で生息することができる粘り強い菌なので、乳酸菌やビフィズス菌のように納豆菌を毎日摂取しなくても問題ありません。
さらに納豆菌は、腸内の善玉菌を増やし便秘改善効果にも役立ちますが、乳酸菌と併用することでさらに相乗効果を見い出せることにも期待できるのです。
この他、納豆は以下のような効果が期待できます。
腸内フローラに良い食べ物2:血液サラサラ効果
納豆菌には血栓を溶かす働きがあります。
ドロドロの血液は、血管を詰まらす原因となり心筋梗塞や脳梗塞など重い病気を引き起こしてしまう可能性があります。
納豆菌による血栓予防で、血液をサラサラにさせましょう。
抗菌作用
納豆菌の抗菌作用によって、腸内を健康に保つことができます。
便秘が解消されることでダイエットや美肌効果にもつながることでしょう。
納豆に含まれるレシチンによってニキビやシミなどの毒素を排出し、お肌のトラブル回避にも役立ちます。
免疫力アップや疲労回復
納豆に含まれるビタミンB群には、目や体の疲労を取り除いてくれる作用があります。
たんぱく質成分によって、基礎代謝を上げ筋肉を生成するサポート役にもなります。
腸内フローラに良い食べ物3:ヨーグルト
ヨーグルトができた歴史をさかのぼってみると、紀元前数千年前とはるか昔まで振り返ることになります。
人間が牧畜をしはじめた頃からヨーグルトは作られていました。
しかし、ヨーグルトは現代のように健康や腸に良い食べ物として作られたのではなく、「たまたまできた食品」だったのです。
木の桶や革袋の中に入れておいた牛の乳に、偶然乳酸菌が入り込みできたと言われています。
現代のヨーグルトは、基本的に生乳や乳製品、乳酸菌、糖類、香料などの材料を混ぜ合わせて作られていますが、中には甘味料や果実片を入れた様々な種類のヨーグルトなどもあります。
甘味料などを入れるタイミングは、ヨーグルトの種類によって違ってきますが基本的には通常のヨーグルトと同じ作り方です。
しかし、発酵方法は2種類あり、材料を混ぜてから容器に入れ発酵させる場合と、発酵させてから容器に入れる場合の方法に分けられます。
先方はプレーンタイプのヨーグルト製品で、後方は飲むヨーグルトなどドリンクタイプのヨーグルト製品になります。
一般的にヨーグルトの効果を腸内フローラで発揮させるためには、1日100~300g程度のヨーグルトを食べることが必要です。
ヨーグルトに含まれている乳酸菌は、腸の滞在時間が短く腸に届く前に死んでしまうことも多いです。
長くても2週間くらいで便と一緒に排出されてしまうので、1度にたくさん食べれば良いというわけではありません。
1日に食べる量が少なくても、毎日食べることが効果的であると言われています。
継続していくのであれば、最低でも半月~1ヶ月近く毎日食べ続けることでヨーグルトの持つべき効果を実感することができるでしょう。
そのまま食べるだけでももちろん効果はありますが、楽しく賢く取り入れるためには、日々の料理の材料にアレンジして使ってみてはいかがでしょうか。
腸内フローラに良い食べ物4:食物繊維が豊富な食べ物
善玉菌は食物繊維をエサに繁殖していくので、食物繊維が含まれる野菜やフルーツ、雑穀、海藻などを積極的に摂取することも大切です。
食物繊維には不溶性と水溶性の2つがあります。
不溶性は水に溶けにくいので胃や腸内で水分を吸収し、腸を刺激することでぜん動運動を活性化させて便通を良くします。
さらに大腸で発酵と分解が行われると、ビフィズス菌などのエサになるので善玉菌を増やす作用がある食物繊維です。
一方、水溶性は粘着性があり、腸内をゆっくり通過するので満腹感を持続し、過食を抑える効果があります。
糖質の吸収を緩やかにする作用もあるので、急激な血糖値の上昇を抑えることが可能です。
こちらも不溶性同様に大腸で発酵・分解が行われると善玉菌の繁殖につながり、腸内フローラを整えてくれます。
食物繊維が含まれる食品のほとんどは、不溶性と水溶性の両方が含まれていますが、発酵性を比較すると水溶性の方が優位です。
腸内細菌によって体に良い発酵を促進させるには、水溶性食物繊維を多めに摂取した方が良いでしょう。
ここで水溶性食物繊維が豊富な食品をご紹介していきます。
こんにゃく
こんにゃくは低カロリーなのでダイエットでも好まれる食品です。
水溶性だけではなく不溶性も豊富に含んでいるので腹持ちがよく、両方の食物繊維をバランス良く摂取できます。
こんにゃくは100gあたり、およそ2.2gの食物繊維を含んでおり、250gのこんにゃくを食べればキャベツ6枚から7枚分に相当する食物繊維の摂取が可能です。
栄養素はナトリウムやカリウム、カルシウム、亜鉛、鉄などのミネラルが中心ですが、他の栄養はほとんどなく栄養価は低いので注意しましょう。
ごぼう
ごぼうは炭水化物の量が多めなので野菜の中でもカロリーが高めですが、ミネラルやビタミン類が豊富で、不足しがちな葉酸が含まれている栄養価の高い食品です。
食物繊維の含有量はトップレベルを誇り、特に皮のあたりに集中して含まれています。
コレステロール値を下げるポリフェノールも豊富なので皮を残し、水に5分ほどさらしてえぐみを抜き、茹でると水溶性食物繊維を壊さず摂取が可能です。
水溶性食物繊維が豊富な食材は他にも、らっきょ、ケール、じゃがいも、インゲンマメなどがあります。
腸内フローラに良い食べ物5:発酵食品にあたる漬物
ぬか漬けやキムチ、ピクルスなどの漬物は納豆と同じく発酵食品にあたります。
発酵させることで善玉菌である乳酸菌がするので、積極的に食べれば手軽に乳酸菌を腸内で増やすことが可能です。
乳酸菌には動物性と植物性の2種類があり、漬物の乳酸菌は植物性乳酸菌にあたり、生きたまま腸に届けられるメリットがあります。
脂質や糖分も動物性乳酸菌よりも少なく、ダイエット向きの食品なのです。
漬物は乳酸菌が豊富に摂取できる以外にも体に嬉しい効果があります。
ビタミンB群が豊富
漬物は微生物によって発酵されており、その微生物はビタミンB群を作りだします。
そのため、生野菜よりも漬物の方がビタミンB群を豊富に摂取可能です。
ビタミンB群は疲労回復や美肌、健康維持、免疫力の上昇など体のあらゆる部分に作用する人間に欠かせない栄養素です。
食物繊維が豊富
漬物の強みは乳酸菌と一緒に食物繊維も摂取できることです。
塩分で水分が抜けてしまうので、食物繊維のかさが増えるメリットもあります。
乳酸菌との相乗効果で善玉菌を効率良く繁殖させることが可能です。
GABA
漬物に含まれる乳酸菌はアミノ酸の一種であるGABAを生成します。
GABAはリラックス効果があるのでストレス軽減や免疫力の向上に有効です。
夕食に取り入れれば快眠効果にも期待できます。
漬物は栄養価が高く、乳酸菌や食物繊維が豊富なので腸内フローラには良い食べ物です。
ただし、塩分が多いので大量摂取には向きません。
また、浅漬けや調味液で浸けたものは乳酸菌が含まれないので、キムチ、すんき漬けやしば漬け、ぬか漬け、沢庵漬けなど伝統的な漬物が好ましいです。
腸内フローラに良い食べ物6:オリゴ糖が含まれる食べ物
オリゴ糖は従来の砂糖と比べてカロリーが半分なことから、多くのダイエット食品や健康食品で使われています。
砂糖よりもカロリーが少ないにも関わらず、甘さにも違いがないのでダイエット目的には最適な糖分です。
善玉菌はオリゴ糖もエサにして繁殖するので、腸内フローラを整える上でも重要な食品と言えるでしょう。
オリゴ糖の場合は体内で分解する酵素が存在しないため、大腸に直接届けられるため、腸内細菌の繁殖では有効なのです。
それでは、オリゴ糖が豊富に含まれる食品をご紹介していきます。
ヤーコン
ヤーコンは爽やかな甘さが特徴的な虫歯になりにくいと注目されているフラクトオリゴ糖を豊富に含む野菜です。
カロリーも低く、悪玉コレステロールの酸化を抑えるポリフェノールも含まれているので、動脈硬化や老化防止にも効果が期待できます。
他にもカルシウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラルやカテキンも含まれ、栄養価も優れた食品です。
きな粉
大豆からつくられるきな粉は食物繊維と、血糖値を下げる作用のあるインスリンの分泌を促す大豆オリゴ糖が含まれています。
たんぱく質や葉酸、カルシウム、鉄分などの栄養が豊富で、牛乳に溶かして飲む、シリアルにまぶすなどアレンジも利きやすい食材です。
このように、腸内フローラを整える食べ物は様々なものがあります。
人によって腸内細菌の数は異なりますが、腸内細菌検査キット・腸内フローラ検査キットを活用すれば自分の腸内環境の善し悪しを判断できます。
検査結果で腸内環境が悪いと分かった場合、便秘やガス溜まりが多いと感じる方はご紹介した食べ物を積極的に食べて、腸内フローラを整えていきましょう。
人間の健康や美容は腸内環境が大きく関わっています。
腸内フローラで悪玉菌が優位な環境になっていると、体にあらゆる不調の影響があらわれるでしょう。
しかし、その不調が腸内フローラの問題と認識している方はほとんどいないはずです。
自分の腸内フローラがどうなっているか知りたいのであれば、腸内細菌検査キット・腸内フローラ検査キットを活用してみましょう。
腸内細菌検査キット・腸内フローラ検査キットを使えば、見る機会が少ない腸内環境の状況を簡単に知ることができます。
自分の腸内環境が分かれば、食事や生活を見直す際の判断の目安となるでしょう。
悪玉菌は年齢や生活の変化で増殖しやすいので、健康や美容のために腸内フローラを整える食事や生活を心掛けてください。